年始の仕事始めや、年度始めなどのタイミングで、1年の目標や計画を発表する経営者も多くいると思いますが、その際に経営者が発言する内容を、従業員は様々な想いで聞いています。
経営者の考えや想いが、きちんと従業員に伝わるかどうかは、その時に話す内容だけではなく、日頃の経営者の行動によって大きく変わってきます。
「これからは、◯◯を変えていく!」と経営者が方向性を示し、それに合わせて社内ルールを整備しても、そのルールを一番守らないのが経営者であったりするケースはよくあります。そして、いつの間にか誰もそのルールを守ることがなくなり、元のやり方のまま、何も変わらないまま風化されていきます。
こういった会社では、経営者が新しい目標や計画を掲げても、従業員は「また何か言ってるよ」「どうせまた無くなるのに」といった目で見ています。
どんなに素晴らしい目標や計画であったとしても、経営者の発言力、行動力、責任能力が伴っていなければ、従業員が行動を起こすことはありません。
従業員は、経営者とは全く違う目線で会社を見ています。
「この会社にいて、この経営者について行って、自分は、家族は幸せになれるだろうか。」「この会社で、自分がやりたかった仕事が出来るだろうか。」
子が親の背中を見て育つと言われるように、従業員も、経営者の背中を見ています。
公私混同をする、発言したことを守らない、人事・給与の評価が曖昧。こういった経営者の元では、従業員は言うことを聞かず、優秀な社員から辞めていくといった会社になっていきます。
目標や計画は作成することが目的ではなく、それを実行し達成することが目的です。
新年度の事業計画を考える以前に、経営者にはもっと重要な事があり、それは、自らを律して行動をし、それを継続すること。
それが出来ないようであれば、目標や計画など発表しないほうが、まだ良いと言えます。