期待値

会社にとっての売上は、お客さまから支払いを受ける対価であり、これは適正な価格でなければなりません。安すぎても、高すぎても失敗します。
そして、適正な価格を決めるためには、自社の商品・サービスの価値を、お客さまのニーズに合わせる必要があります。

お客さまは、その価格から商品・サービスに対する期待値を設けます。
例えば、高級なレストランで食事をするときには、料理の味はもちろん、店の雰囲気、スタッフの対応、そこで過ごす時間に期待をして対価を支払います。
その期待値は、ランチタイムに食事をとる時のものとは全く異なります。ランチでは、早く食事ができ、毎日でも通いやすい味と価格に期待をします。そこに、高級レストランのようなスタッフの対応は求められていません。

よく、こだわり店主の店というのがあります。材料や品質にこだわりを持った商品を作る。そのこと自体は他社との差別化にもなり、悪いことではありません。
ただ、そのこだわりがお客さまのニーズと合っているかどうかです。いい材料を使い、手間を掛けることは価格に反映されます。
高い価格は、それだけお客さまの期待値を高めることになり、その期待に応えられるものでなければ、受けないのです。

立地も重要で、オフィスビルの周辺にあるお店と、ロードサイドにあるお店、住宅街にあるお店、観光地にあるお店では、客層は全く異なります。
良いものを作れば、どこでも売れるという訳ではありません。全てのお客さまのニーズを満たす商品・サービスを提供することは不可能です。
経営者が自社の商品・サービスをきちんと理解し、ターゲットとするお客さまが誰なのかを認識して、そこに適正な価格とサービスを提供しなければビジネスとして成り立たないことになります。